2025年04月05日 11:57
ナイキ、新CEOヒル氏が挑む「原点回帰」 —— 割引乱発の反動と復活への鍵
開示資料をもとに作成

2025年3月20日、ナイキの2025年度第3四半期決算(12〜2月期)が発表された。売上高は前年同期比9%減の113億ドル、1株当たり利益も0.54ドルと前年から30%の減益だった​。世界最大のスポーツ用品ブランドである同社は、近年の在庫過多に伴う大規模な値引き販売に直面し、ブランド価値の低下と収益悪化に悩んでいる。

この立て直しを託されたのが、昨年10月に就任したエリオット・ヒルCEOだ。ヒル氏は就任後初の決算説明会で、自社の「スポーツDNA」を呼び覚ますブランド再定義と、販路戦略の見直しによる業績回復策を示した。ナイキはいま、市場シェア拡大と利益率維持のジレンマにどう挑もうとしているのか。本稿では、同社の現状と新戦略を5つの視点から分析する。