事業内容
沿革・会社概要
Financial Engines, Inc.(ファイナンシャル・エンジン)は、投資アドバイスおよび支援を行なう世界最大手企業。
Financial Enginesは 「個々人に合わせた退職向け資産形成支援を、独立系の業者として、すべての人に提供する」という理念に基づき、ノーベル経済学賞受賞者であるウィリアム・フォーサイス・シャープ氏らによって1996年に創設された。1998年に401(k)に特化したオンラインでの投資アドバイスサービスの提供を、2004年に401(k)におけるポートフォリオ作成から投資判断・リバランスまですべてを引き受ける MAサービス(個人が所有するお金をどこに投資し、いつ売るかまでをパッケージとして提供するサービス)の提供をそれぞれ開始し、2010年には NASDAQ への上場も果たしている。
しかし、全米最大級の独立系ファイナンシャル・プランニング・投資運用会社であるエデルマン・ファイナンシャル・サービスが、Financial Enginesと合併することとなり、Financial Enginesは吸収された。
事業内容・サービス内容
Financial Engines(ファイナンシャル・エンジン)のオンラインアドバイスサービスは、プランの運用商品メニューから個々人に合わせて選ばれた具体的な金融商品が、年金加入者向けに推奨されるというもの。
年金加入者が、現在のポートフォリオやリスク選好、退職予定時期などをオンラインシステム上で入力すると、 退職時点で受け取ることができる年金の金額の予測値が示される。その予測値に関して、年金口座への拠出額の引上げや、退職予定時期の後ろ倒し、アセット・アロケーションの変更等が提案される。このうち、アセット・アロケーション変更の提案は、加入者が属するDCの商品ラインアップから選んだ具体的な商品の推奨を通じて行われる。希望する加入者には、 職域以外で保有する年金資産の残高や公的年金の受取予定額など、他の要素も考慮したアドバイス・サービスも提供される。加入者は、提供された情報やアドバイスに基づいて、 自ら投資判断やモニタリング、リバランスを行うことができる。
Financial Enginesのアドバイスは、人ではなくFinancial Engines独自のシステムによって提供される。Financial Enginesのシステムは、「シミュレーション・システム」と「最適化システム」の 2 つから構成されている。前者は、年金対象となっているいないに関わらず、38,000銘柄を超える投資信託、株式、債券、ストック・オプション、GIC(利回り保証契約型保険商品)やステーブル・バリュー・ファンド、ETF等の金融商品についてリスク・リターン、販売手数料、取引手数料、運用方針などを分析し、 一定時点でのリターン予測値をシミュレーションするシステムである。後者は、プラン内で提供される商品から個々人に合わせた商品を選び出すシステムである。システムが提示するアドバイスの質を担保するため、専門チームによる管理の下、システムに入力されて いる情報が最新かつ正確か否かを自動的に確認・承認するプログラムも組み込まれている。
加入者個々人に合わせたアドバイスが提供されるという点でオンラインアドバイスは投資教育と異なるが、最終的な投資判断やモニタリングも専門家に任せたいという加入者もいる。そこで、Financial Enginesは2004年に「プロフェッショナル・マネジメント(Professional Management)」というMAサービスを開始した。