事業内容
ステムセル研究所は、再生医療や細胞治療を目的とした事業を展開しています。主な事業内容としては、周産期組織由来の細胞、特に「さい帯血」や「さい帯」から得られる細胞を利用した細胞バンク事業、これらの細胞を用いた新たな治療法や再生医療製品の開発、さらにはこれらの事業基盤を活用した再生医療、不妊治療、出産、子育て関連の事業開発や投資などを行っています。
同社は、さい帯血バンクにおいて、公的さい帯血バンクと民間さい帯血バンクの二つの形態で事業を展開。公的さい帯血バンクでは、無償で提供されたさい帯血を保管し、白血病などの疾患治療に必要な患者に提供しています。一方、民間さい帯血バンクでは、将来の治療に備えて本人や家族が有償でさい帯血を保管するサービスを提供しています。
また、ステムセル研究所は、さい帯血に含まれる幹細胞の分離・抽出・調製を行うための細胞処理センターを東京都港区及び横浜市緑区に設置し、これらの細胞を超低温下で長期保管するための細胞保管センターを横浜市緑区に有しています。さらに、2021年4月からは「さい帯(へその緒)組織保管サービス」も開始しており、さい帯血だけでなくさい帯組織の保管サービスも提供しています。
同社の事業は、細胞バンク事業を中心に展開しており、売上は技術料、保管料、その他の3つのカテゴリーから構成されています。技術料は細胞分離や処理に必要な料金、保管料は細胞の長期保管に関する料金、その他には契約更新時の手数料などが含まれます。
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経営方針
ステムセル研究所は、再生医療の最前線で活動する企業として、細胞バンク事業を核とした成長戦略を推進しています。同社は、「あたらしい命に、あたらしい医療の選択肢を。」というコーポレートスローガンのもと、周産期の組織に由来する幹細胞の蓄積・技術開発・サービス向上に注力しています。特に、さい帯血やさい帯から得られる細胞を利用した細胞バンク事業において、新しい医療の提供を目指しています。
中長期的な経営戦略として、ステムセル研究所は三つの重点領域に焦点を当てています。第一に、さい帯血等の周産期組織由来細胞の採取・保管事業の拡大を目指し、医療機関・研究機関との協力を深めています。第二に、保管された幹細胞を使用して中枢神経系疾患等に対する再生医療・細胞治療の臨床研究を推進し、利用者拡大を図っています。第三に、産婦人科へのネットワークを活用し、妊婦及びその家族向けの新しいサービス・製品の開発に取り組んでいます。
経営環境の変化に対応するため、ステムセル研究所は、さい帯血の臨床研究推進や、さい帯由来間葉系細胞の研究開発に力を入れています。また、事業上及び財務上の課題に対処するため、細胞処理・保管能力の増強、人材の増強・組織の強化、デジタル化による業務効率化、ESG推進とガバナンス強化に注力しています。これらの戦略を通じて、ステムセル研究所は再生医療分野でのリーダーシップを確立し、持続的な成長を目指しています。