生成AI時代に約659億円を投資!さくらインターネットが描くGPUクラウド戦略

開示資料をもとに作成
生成AIの進化は、クラウドインフラに新たな地殻変動をもたらしています。膨大なデータを瞬時に処理し、複雑な推論を繰り返すAIモデルにとって、GPUをはじめとする演算リソースは、まさに「燃料」と言える存在。そんなリソースを提供するインフラ企業には、これまでにない関心が集まっています。
そんな中で大きな戦略転換に踏み出したのは、かつては「地味なレンタルサーバ屋」だったさくらインターネットです。2024年から数年間にわたり、総額約659億円を投じて、大規模なGPUクラウド基盤の構築に着手しています。その背景には、生成AIと経済安全保障をめぐる構造変化、そして「国産クラウド」への再評価といった複数の要因が重なっています。
国内インフラ市場では、AWSやAzureなどの外資系クラウドサービスが圧倒的な存在感を持っています。しかし最近では、行政や産業界の間で「国内に制御可能な計算基盤を持つこと」への関心が高まりつつあります。日本語の大規模言語モデル開発や、医療・製造業といった基幹分野でのAI活用を見据えると、国産クラウドが担う役割は小さくありません。