先週行われた米大統領選は、民主党のバイデン氏が当選確実になった。国民向けの演説で勝利を宣言するとともに「分断ではなく、結束をもたらす大統領になる」と力説した。

• 激戦州ではトランプ氏との大接戦で開票作業が進んだ
• 獲得票数は史上最多の7,400万票にのぼり、ペンシルベニア州でバイデン氏の勝利が確実に
• トランプ大統領は当面、敗北を認めない方針。法廷闘争へ

まずはコロナ対策を優先

• 「ウイルスを制御するまで経済は修復できない」と明言
• 2021年1月20日の就任以降、専門家に支えられたコロナ対策の実行へ
• 一方では、巨額の経済政策に期待が集まる
• 再エネや公共インフラに4年で2兆ドル、10年での歳出増は合計10兆ドルとも試算される
• 戦時を除けば、1930年代の「ニューディール政策」以来の歳出増へ

バイデン氏のメッセージは、分断を促すトランプ大統領とは真逆の方向性だ。低所得者に減税しつつも、企業や富裕層への増税も実施する方針。株式取引への課税が強化されれば、株式市場にも影響が及ぶかもしれない。

現在77歳のバイデン氏は、史上最高齢での大統領就任になる見通し。半世紀近く政治活動を行ってきた大ベテランのもと、米国がどう変化していくか注目したい。