トランプ次期大統領の会見 忘備録
トヨタ自動車

深夜1時からの会見だったが、会見を見ながらドル円相場を楽しんだので、備忘録としてそのときの感想を書いておく。

期待は先行するというが、まさにその通りの展開だった。会見前から急上昇したドル円。半日前まではドル高批判で円安行くんじゃないかと戦々恐々としていたムードは一切吹っ切れ、イケイケどんどんの上がりっぱなし。後は会見次第でどうとでも動いたのだろうが、先行した期待は萎みやすいもの。人間の欲と恐怖を感じ取れないと難しい相場だった。

会見には期待されていた内容は一切なかった。また恐れられていた内容もなかった。経済についてはひたすら雇用と国内投資。Creating Jobを連呼してたようなイメージ。またその方法に外国企業を上手く利用してる。対米投資を促すというよりは強制させるような内容で政策を動かすつもりなんだろうか。

為替の水準については言及がなかった。また財政政策についても触れられていない。そのため金利に対するイメージもいまいちはっきりしない。ただこれらはトランプ氏の目指す米国を実現させるための手段なので、為替や金利、株価といった金融市場の指標は政策の従属変数ということになるんじゃなかろうか。

とにかく雇用を増やしてリッチになるんだ。世界もアメリカにもっと投資をしなさい、さもないと罰を与えるぞ。おれらも税金なんてやめて、もっとレバレッジかけようぜと。そうなると必然的にドルは上昇しちゃうんじゃなかろうか。あと金利も上がってしまうよね。就任前に自動車会社、ソフトバンク、アリババにアメリカへの投資を約束させちゃうんだから、今後余計に加速しない?

今後のドル円について、適正な水準はよくわからん。ただレーガン大統領が就任した81年1月の202円から、4月には214円まで上昇している。今のレートに直すと115円→122円程。もっとも、レーガン大統領就任直前までは第二次オイルショックや高インフレといった問題があったから円高で推移していたけど。また、ルービン時代は5年かけて80円台から140円台まで円安進んだので、似たような政策とってくるなら円安ポテンシャルはまだまだあっても別に変ではない。

ドル円は円高論者が多くて、その根拠の多くが日本経済の弱さなんだけど、今の相場の根底にはアメリカ経済の強さがあるから、ドル高の流れというのは、そうそう転換しないと思うんだが、どうだろうか。

私は押し目とみてるけどいかがかな。