SAPは1972年に5名のIBMの元従業員によって設立された。社名は「Systemanalyse und Programmentwicklung ("System Analysis and Program Development")」の頭文字からきている。
当時、コンピューター業界では夜通しでバッチ処理して計算するのが普通だったが、よりリアルタイムに、顧客が欲しいといった時にすぐに提供したい、と思ったそうだ。
この会社も自分にとっては理解するのが難しい会社だが、わかることとしては「企業向けソフトウェアを提供していること」、その中でも「ERP」という製品に強みを持っていることだ。
では、ERP(Enterprise Resources Planning)とはなんなのか?
名前から察するに、企業が経営資源を計画的に管理することを助けるソフトウェアという感じか。日本企業の「オービック」が説明ページを設けていた。
上の図から見るに、営業、物流、経理、調達など、様々な事業部門の情報を一元管理できるようにし、経営者が自社の状態を把握しやすくするためのシステムのようだ。
確かに、巨大企業になればなるほど、何十万人という組織の膨大な情報をどう管理するかというのが大変なのは想像に難くない。
SAPでは、ERPの他にもクラウドプラットフォーム、ビジネスインテリジェンス、人事管理、ファイナンスなど、各ジャンルに特化した様々なシステムを提供しているようだ。こうなるとよくわからないので、今回は「ドイツのIBM」くらいの理解にとどめておこうと思う(怒られそうだけど)。
SAPがIBMと違うところは、長い間、かなりの事業成長を遂げていることである。
2016年の売上高は2.8兆円ほどで、営業利益も6555億円ほどということになる。
直近の四半期業績を見てみよう。
全体の売上高はおよそ53億ユーロで、前年同期比+12%。
その中で、クラウド&ソフトウェアの売上が43億ユーロ(前年同期比+12%)とかなりの割合を占めていることがわかる。
クラウドサブスクリプション&サポート売上は9億ユーロ(前年同期比+34%)となっている。
どういうものかはわからないが、「SAP S/4HANA」という製品が成長を牽引しているらしい。
また、「New Cloud Bookings」というカテゴリはNon-IFRSで1.45億ユーロから2.15ユーロへと+49%の成長を遂げている。