米国のウェルネスブランド「Hims & Hers」が売上高の急拡大を続けている。4〜6月の売上高は前年比で83%拡大し、2億ドルを突破した。

ところが株式市場における同社は、このところ人気がない。株価は2023年5月をピークに下落へと転じ、半分近くまで値下がりした。目下の時価総額は14.4億ドルだ。

Hims & Hersは「テレヘルス（遠隔医療）」の会社を自称するが、情報技術を土台とした会社ではない。EDや薄毛、うつ病治療薬、スキンケア商品も販売するヘルスケアDtoCの会社である。

高い成長を見せる一方、マーケティング費用が重く営業損益は赤字だ。SaaS企業とは異なりDtoCは一般に解約率が高く、広告費が「固定費化」してしまうことが多い。どれだけ成長しても、収益性を向上できなければ市場での評価は上がりづらい。

これから同社はウェイトコントロール、「肥満対策」の領域にも進出する。対象人口は米国だけでも1億人近くいる。今回の記事では、Hims & Hersの近況と依然として野心的な展望について、直近の開示をもとに紹介する。