多様化する代替タンパク質、キノコやCO2で製造 30年に3兆円市場に
環境負荷が少なく持続可能な食品として注目される「代替タンパク質」。大豆など植物由来の素材や昆虫などが主流だったが、藻類やキノコ、細菌を使った製品が登場するなど多様化が進んでいる。
人口増加や経済発展に伴い、現在の農業や畜産業のあり方では2025〜2030年頃にタンパク質の需給バランスが崩れはじめるとの見方もある。世界的なSDGsの流れもあり、代替タンパク質の需要は高まり続けており、技術開発や新規参入による市場の競争激化はますます加速しそうだ。
この記事では、代替タンパク質に関連する企業の動きや技術の近況をまとめていく。
代替タンパク質とは、肉など動物性タンパク質の代わりに植物性の材料などで作られたタンパク質を指す。大豆などを加工した「代替肉」と細胞培養技術を用いた「培養肉」、コオロギなどの「昆虫食」が含まれる。
食肉類は生産や輸送の過程でCO2を排出したり、家畜がメタンを発生させるといった環境負荷の大きさが問題視されている。代替タンパク質は製造過程での環境負荷が少ないことから、国際的なSDGsの流れや脱炭素の動き、健康志向の高まりを背景に熱視線が注がれている。