新たに上場した新興国向け越境決済「dLocal」独自の拡大戦略とは
ウルグアイのベンチャー企業「dLocal」が先月末、NASDAQへの新規上場を果たした。2016年に創業し、ウルグアイでは初めての「ユニコーン」としても知られた注目企業だ。
dLocalが提供するのは、新興市場向けに商品を販売するための決済プラットフォーム。AmazonやSpotify、DiDiなど、名だたるグローバル企業が利用している。
2020年の総決済高(TPV)は前年比60%増の20.7億ドルに拡大。創業以来の年平均成長率は97%にのぼる。
特筆すべきは収益性の高さで、これだけの成長角度にもかかわらず営業利益率は29.7%。株価は上場初日から53%上昇し、時価総額は150億ドルを超えた。
Eコマース産業は今後も成長が見込まれ、中でも新興市場の伸び代は大きい。この魅力的な領域で、dLocalはいかにして大企業を顧客に取り込んでいるのだろうか。新規上場時の目論見書を中心に、その事業モデルを紐解こう。
現在もCEOを務めるセバスチャン・カノビッチ(Sebastián Kanovich)は、dLocalの創業前からフィンテック領域でキャリアを歩んできた。