米TVメーカー「VIZIO」上場:広告事業強化で競合はRokuやAmazonに
米TVメーカーの「VIZIO」が近く、ニューヨーク証券取引所に上場する。ウォルマートやコストコなどディスカウント店を中心に、高画質テレビを割安販売することで成長してきた業界大手だ。
足元では巣ごもり需要を背景にテレビ販売が好調。2020年10〜12月期の売上高は前年比18.7%増の7.3億ドル、営業利益は11.9倍の5304万ドルと増収増益を達成した。
VISIOの戦略で注目したいのは、主力のテレビ販売から徐々に軸足をずらしつつあることだ。テレビ向けの動画配信端末「SmartCast」を軸に広告事業の強化を進め、「RokuやAmazon、Googleとも競合関係にある」とする。
創業者であるウィリアム・ワンCEOは2000年に起きたシンガポール航空の離陸失敗事故の生存者だ。実は2015年にIPOを申請していたが、中国企業からの買収提案を受けて撤回を決めたという経緯もある。
創業からの歴史を整理しつつ、足元で進む戦略転換について確認していきたい。
VIZIOは2002年に設立された。創業者は現在までCEOを務めるウィリアム・ワン氏。台湾で生まれ育ち、14歳の時に家族とともにアメリカへ移住した。