海外では決算ラッシュがまだまだ続いています。
先週(10/29~11/2)決算を発表したテクノロジー企業の中から6社をピックアップして最新決算をチェックしていきたいと思います。
最初は世界を代表する音楽ストリーミングサービス「Spotify」(ティッカーシンボル: SPOT)です。
今四半期の売上は13.5億ユーロ(15.4億ドル)、営業損失は600.0万ユーロ(683.5万ドル)まで縮小しています。
有料会員からの定期課金収入が12.1億ユーロ(13.8億ドル)で売上全体の約90%を占めており、広告収入は1.4億ユーロ(1.6億ドル)ほど。
いずれも前年から30%増収を達成しています。
サービス全体の月間平均アクティブユーザー数(MAU)は1億9,100万人まで増加しており、有料会員数は8,700万人です。
キャンペーン等を積極的に実施しているため、有料会員1人あたりの平均売上高(ARPPU)は低下傾向にあります。
一方、無料会員MAUはあたりの単価が上昇していることで、MAU全体の単価は上昇しています。
アメリカの老舗ECプラットフォーム「eBay」(ティッカーシンボル: EBAY)です。
今四半期の売上は26.5億ドルと約10%増収、対して営業利益は5.6億ドルで減益となりました。
中核となるマーケットプレイスでの売上が21.0億ドルで売上全体の約80%、『StubHub』の売上は2.9億ドルです。
商品取扱高(GMV)も堅調に推移しており、マーケットプレイスは214.8億ドル、『StubHub』は12.4億ドルとなっています。
GMVに対するeBayの取り分(売上高)の比率を見てみると、マーケットプレイスは8.4%程度、『StubHub』は23.1%です。
『StubHub』は直近3四半期でテイクレートの上昇が続いています。
中国の検索エンジン最大手「Baidu」グループ(ティッカーシンボル: BIDU)です。
今四半期の売上高は282.0億元(40.9億ドル)、営業利益は42億元(6.1億ドル)です。
子会社で中国版Netflixとも呼ばれる「iQiyi」(ティッカーシンボル: IQ)の売上が69.1億元(10.0億ドル)まで増加し、Baiduグループ売上全体の24.5%を占めるまでに成長しています。
iQiyiの営業損失は25.9億元(3.8億ドル)まで拡大しています。
一方。検索連動型広告などBaiduのコア事業は69.2億元(9.9億ドル)まで営業利益が増加しています。
ロシアを中心に検索エンジン等を提供する「Yandex」(ティッカーシンボル: YNDX)です。
今四半期の売上は325.7億ルーブル(4.9億ドル)、営業利益は59億ルーブル(8,900万ドル)となっています。
対前年の売上成長率がグイグイと上昇しており、今四半期は39.0%まで上昇しました。
(決算補足資料)
メインの検索エンジンおよびポータルサイトの売上が266.7億ルーブル(4.0億ドル)と堅調に推移しています。
さらに、『Yandex.Taxi』などの「タクシー」事業や『Yandex.Cloud』を含む「Experiments」事業といった検索事業以外の売上が72.2億ルーブル(1.1億ドル)まで増加しました。
「LendingTree」(ティッカーシンボル: TREE)はローン希望者と金融業者のマッチングサービスを展開しています。
今四半期の売上は2.0億ドル、営業利益は2,029万ドルです。
彼らはこれまで立て続けのM&Aによって業績を急速に拡大してきましたが、そのスピードは緩やかになってきています。
住宅ローン仲介の売上が5.5億ドルまで減少しているのに対し、クレジットカードや自動車ローンなどの仲介手数料収入が14.2億ドルまで増加。
住宅ローン仲介以外の売上が全体の70%以上を構成しています。
最後はデジタルシフトを急速に進めているアメリカ有力紙「New York Times」(ティッカーシンボル: NYT)です。
今四半期の売上は4.2億ドルで、直近3四半期の全体業績は横ばいで推移しています。
クロスワードゲームなどを含めたデジタル版のみの購読料収入が右肩上がりに増加しており、今四半期は1億ドルを突破しました。
デジタル版ニュースのみを購読している「デジタル版購読者数( Digital-only news product subscriptions)」は254.1万人に到達しています。
クロスワードとレシピサービスの課金者数を含めればデジタル課金者数はのべ30万人にまでのぼります。