すでに圧倒的なセブンイレブン、なぜ『7pay』を作る必要があったのか

セブン-イレブンの決済サービス「7pay」が起こした問題は、しばらく尾を引きそうです。

代表的なコンビニの決済サービスが問題を起こしたことで、「キャッシュレス」自体への疑念が起こってしまう心配もあります。

今回、彼らが引き起こしたことには数々の問題があります。

サービス自体もそうですが、記者会見での「二段階うんぬん」という発言は、日本を代表する企業がつくった決済サービスのトップとして、許されるものではありません。

驚いたのは、日本で最も革新的な企業の1つだったセブン&アイが、こうした間違いをおかしてしまったことです。

日本社会において、コンビニが重要な存在であることは言うまでもありません。

セブン-イレブンはその中で、どこよりも革新的であり続け、それゆえに日本の小売を代表する存在となりました。

こういうタイミングだからこそ、彼らが成し遂げてきた偉業に目を向けた上で、『7pay』で意図したものについて考えてみたいと思います。

セブン-イレブンの圧倒的な「商品開発力」

セブン-イレブンの強さとして真っ先に思い浮かぶのは、その「商品開発力」です。

今では当たり前になったセブンカフェがスタートしたのは2013年1月のこと。それまで、30年も前から「入れたてコーヒー」の販売にチャレンジし続けてきました

空気に触れて劣化するため、美味しいコーヒーをコンビニで提供するのは難しく、2013年のセブンカフェはなんと5回目のチャレンジだったのです。

自動販売機で国内シェアトップの富士電機に依頼し、従来の約4分の1の価格でのマシンを実現。

セブンカフェはスタートからわずか半年ほどで全店舗に設置され、初年度から4.5億杯を販売しました。

初年度から、いきなり500億円規模の売上を作り、今やその規模は年間1,000億円以上。

先行していたローソン「マチカフェ」やファミマをごぼう抜きして、注目を一気にかっさらいました。

このように、セブン-イレブンの商品力は圧倒的とも言えます。

そのベースになっているのが、1980年代に確立した「チームMD」などのプロセスです。専門家と組んで商品開発に取り組み、市販品に負けないオリジナル商品の開発を目指しました。

そうした努力が結集し、2007年にスタートしたのが「セブンプレミアム」です。

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