Oracle Corporationは1977年に創業された米国のテクノロジー企業。Software as a Service (SaaS)、Platform as a Service (PaaS)、あるいはInfrastructure as a Service (IaaS)などと呼ばれる各種クラウドソリューションを企業向けに提供するほか、Oracleデータベースや各種ミドルウェアなどのソフトウェアをオン・プレミスで提供。
まずは全体の業績推移を見てみる。
でかいな。2001年ごろからすでに100億ドル前後の売上をもち、その後2011年度まで急成長し、以降は370億ドル前後で推移。営業利益率も安定して30%を超えており、極めて高い水準にあると言える。
Oracle Corporationの収益源は大きく次の3つ。
1. クラウドもしくはオンプレミス(自社運用)のソフトウェアのライセンス料や利用料。SaaS、PaaS、IaaSなどの形態はここに含まれる。売上全体の78%に当たる290億ドル。
2. ハードウェアの売上。サーバーやストレージ、ネットワーク機器などのハードウェアを販売している。売上全体の13%にあたる46億ドル。
3. サービスによる売上。ソフトウェアやハードウェアに関するコンサルティングや、カスタマーサポート、教育的サービスなど。売上全体の9%に当たる34億ドル。
セグメントごとの売上高を円グラフで見ると次のようになる。
売上規模もすごく大きいし、利益率もよいが、成長率は鈍っており、技術的にもそれほど大きな革新が期待できない(私見)成熟したテクノロジー企業という印象。だが、これほどまでに安定して高い利益を生むことができるのは、テック企業の成長した姿としてはかなり理想的と言えるのかもしれない。
オラクルの企業価値を評価するために、過去数年のキャッシュフローを調べます。
ここ2年は若干の減少傾向にありますが、フリーキャッシュフローは5年連続で120億ドルを超えています。
ここでは、今後5年間、オラクルが120億ドルのキャッシュフローを生み、その後は2%で半永久的に成長するとして企業価値を試算します。
年 | 2018 | 2019 | 2020 | 2021 | 2022 |
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予測FCF | 120億 | 120億 | 120億 | 120億 | 120億 |
現在価値 | 108億 | 97億2000万 | 87億4800万 | 78億7320万 | 70億8588万 |
有利子負債額0 | 有利子負債コスト0.01 | 実効税率0.4 | |||
株主資本時価2066億6900万 | 株主資本コスト0.1 |
WACC 0.1 |
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永久成長率0.02 |
継続価値 1530億 |
企業価値 1972億2708万 |
残念ながらこの試算では、企業価値は1972億ドルとなり、現在よりも少ない価値になってしまいました。