米国のマッチングアプリ「Bumble」などを運営するBumble Inc.がナスダックに上場する。1月15日に目論見書が公開され、ティッカーシンボルは「BMBL」と定められた。
Bumbleは、次の二つの理由から注目の企業だ。
一つは「オンラインマッチング」という産業自体の成長性である。男女関係に限らず、生まれてから死ぬまで「出会い」を経験しない人はいない。
出会いの形は変わり続けている。米国において、異性間カップルの出会いの場として最も大きいのは「オンライン」。その割合は実に39%と、5人に2人がオンラインでの出会いを通じているのだ。かつて主流だった「友人の紹介」は2000年以降、急降下。今の2番目は「バーや飲食店」で、これも2000年以降急増している。
もう一つは、『Bumble』をパイオニアとする新たな潮流である。
創業者のホイットニー・ウルフ・ハードはTinderの創立メンバーでもある。経営幹部によるセクハラ問題で退社したあと、毀誉褒貶ある中で2014年にBumbleを公開。
彼女はBumbleに「女性主導」という枠組みをもたらした。マッチした後、女性の側からしか最初のメッセージを送れないようにしたのだ。この仕組みは、マッチングアプリに発生しがちな多くの問題を改善する。
世界のマッチング産業は今、どんな状況なのだろうか。目論見書の内容を中心にBumbleが展開する事業を詳細に見ていこう。
オンライン・マッチングという領域は、特に新しいものではない。ご承知の通り、日本でもモバイルインターネットの普及以前から存在していた。
現在も有力サービスの一つである「Match.com」がスタートしたのは1995年。その長い歴史もあり、年齢層が高め人たちに人気のプラットフォームとして確立している。