ミクシィといえば、今でこそ「モンスターストライク」のイメージが強いですが、IPO時は国産SNS「mixi」で上場しています。(この上場の恩恵に預かった事業会社として、サイバーエージェントやネットエイジなどがありました。)
公開価格による時価総額は1092億円、初値による時価総額は2079億円。PERは177.52倍でPBRは132.87倍と驚異的な数値を叩き出しています。
「mixi」は、2004年2月にスタートしたSNSで、私みるみる丸も「mixi」は大好きで、ヘビーユーズしていました。始めた当初は、友達がやっていないとそもそも使えなかった「招待制」をはじめとして、誰が自分のページを見にきたかがわかる「あしあと」や人の紹介をする「紹介文」、現在のTwitterのような「つぶやき」、そして現在のFacebookのような「日記」。どの機能も大好きで、今となってはとても良い思い出です。(たまに炎上していましたがw)
当時、「mixi」以外にSNSがなかったかといえばそんなことはなく、私も「モバゲータウン」「グリー」「前略プロフィール」「アメブロ」など当時流行っているものは全てやっていましたが、重きを置いていたのは「mixi」でした。しかし、「あしあと」が消えたあたりから徐々に廃れていき、いつのまにかTwitterとFacebookとLINEに移っていきました。
このSNS「mixi」が低迷すると時価総額も低迷してしまいます。そこに出てきたのが、「モンスターストライク」であり、現在は時価総額4300億円を超えるマザーズ最大の、そして日本ITの企業でもトップ5に入る企業となっています。
それでは、「mixi」のKPIをみていきましょう。
まず、PV数を見てみます。
昨今はPCからスマホにシフトした波に乗れたか?が勝敗を分けつつありますが、日本の場合、スマホシフトの前に、PCからガラケーシフトといったような流れがあったように見えます。
始めはPCベースだったものが2006年10月に天井をうった一方で、2006年11月から一気にmobileが加速していきます。
そして2009年11月からまた爆発的にmobileのPV数が伸びていますが、この時期にスタートしたのが「mixiアプリモバイル」です。
「mixiアプリモバイル」とは、ゲームや占いなどのコンテンツのことです。この波に乗ったのが、モバイルファクトリーの「ギャル文字検定」「消えちゃうメッセージ」、ウノウの「まちつく!mixi版」、ザッパラスの「ミク×ミク診断」などでした。
ただ当時、2005年からSNSをスタートさせていたグリーが2007年からスタートさせた「釣り★スタ」が爆発的な伸びをみせ、2006年から「モバゲータウン」をスタートさせていたDeNAが2008年にアイテム課金制ゲームを開始したことで爆発的に成長しており、それから少し出遅れてのスタートでした。
次に、ミクシィのユーザー数の推移を見て見ます。
すると、招待制でかつ年齢制限が18歳からだったにもかかわらず爆発的な伸びをみせており、年齢制限が15歳になったのは2008年11月、招待制が廃止されたのが2009年の春でした。
2008年3月からは月間ログインユーザー数の公表のみとなり、2012年3月からはほとんどの情報が発表されなくなってしまいます。
次に、1PVあたりの単価を見て見ます。
アクセスはmobile中心だったにもかかわらず、PCの1PVあたりの単価の方が上がっています。
それでも1PVで0.1円をきっています。
最後に、広告主の推移を見て見ます。
美容・化粧品とITサービスの比率がだんだん上がってきていました。
美容・化粧品ですが、一般的な化粧品だけでなく、育毛などのアフィリエイト単価が高いものの比重が大きくなっています。
いかがでしたでしょうか。
これだけの莫大なトラフィックをうむサービスをこれだけの短期間で産むことはやはりとんでもないことだったと思います。
また、ミクシィに関係した方も現在では、様々なところで活躍されています。
例えば、ミクシィのIPO時の取締役だった生田氏は売却時にフンザの大株主だった他、同じくIPO時に取締役だった衛藤氏はEast Venturesのパートナー、上場後の取締役だった小泉氏はメルカリの取締役社長、原田氏はDeNAの執行役員、西尾氏はBAKE常務取締役、川崎氏はスマートニュース執行役員、朝倉氏はシニフィアンの共同代表 、「mixiアプリモバイル」にのったコミュニティーファクトリーの松本氏はソウゾウの代表取締役社長、ウノウの山田氏は、メルカリの創業者兼代表取締役となっています。
現在は、「モンスト」の会社となりましたが、今後ともミクシィとミクシィマフィアには注目していきたいと思います。