バフェットの小話がいっぱい「バークシャー・ハサウェイ」決算まとめ(前編)
バークシャー・ハサウェイ

「投資の神様」とも言われるウォーレン・バフェット氏が会長を務める「バークシャー・ハサウェイ」が2019年の年次報告書を発表しました。

今回も各事業について説明しながら、バフェット翁の小話がたぶんに散りばめられています。とても面白い内容になっているので、ポイントをピックアップしながら、一通りご紹介したいと思います。

「利益剰余金」の話

今回、「バフェットの手紙」は"利益剰余金の威力"に関する小話からスタートします。

1924年にエドガー・ローレンス・スミスという経済学者が書いた「長期投資としての普通株(Common Stocks as Long Term Investments)」が、投資の世界に大きな変化をもたらしたそうです。著名な経済学者であるケインズは、こうコメントしています。

「この本で最も重要なポイントは、うまく経営されている企業は原則として、稼いだ利益の全てを株主に還元したりしないということだ」

「利益の一部分を保持して、自らのビジネスに再投資する。こうして企業への投資には”複利的”な側面が生まれる」

「長い年月の間、健全な企業における本質的な価値は、複利的に拡大していき、配当金としての支払いを大きく上回る」

バフェットは、スミスの著作以前に「利益剰余金」が評価されてこなかったのが不思議だとしています。カーネギー、ロックフェラーやフォードが蓄積した莫大な富は、すべて利益剰余金の再投資によって実現されたもの。

そして、株式は「複利的に価値を積み上げる事業体の”一部分”」であるにも関わらず、世間では投機的と見なされ、紳士は債券を好むと言われてきました。

グループ内での「再投資」が一番の理想

バークシャー・ハサウェイにおいても、この”利益剰余金の威力”を意図的に活用しようとしてきました。

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